タイトルに惑わされず、ブランド論、日本論、そういうものに興味があれば立ち読みでもいいので最初の50ページくらい読んでみて欲しい。
# しかし誰だよこの書名にした奴。いかがなものかと
世界自動車戦争論 1 (1) 福野 礼一郎
# 一番最初のGT-Rのレビューは読み飛ばしても構わないと思う。ただ、あとがきで「GT-Rが無かったら、この本は日本の自動車業界に対するレクイエムになるところだった」とか書いてあって、なるほどと思った。レクイエムですよ奥さん聞きましたか。この福野という人は執筆でもインタビュー記事であっても一語一句ものすごく言葉を選んである。なので時間をかけて読むだけの価値がある。
この本についてはクルマにそんなに興味がなくても書いてあることは判ると思うけど、ある程度ここ最近(90年代以降)のヨーロッパ車の状況とかそのあたりについての前提知識が有ると、なお良いかも。設計古すぎるミニ、普通のコンパクトカーメーカーに成り下がろうとしていたシトロエン、プジョー。
最初の50ページくらいの内容としては、ブランディングとは要するに、なりふり構わずなんとしてでも金を稼ごうということだ、みたいなことが書いてある。
このあたりが、毎日24時間クルマとかその周辺のことだけをひたすら考え続けて仙人のようになってきたこの福野礼一郎という人の感覚の鋭さ、というか、そういうものを感じる。ブランディングっていうものが急にドロドロした脂っこいものに見えてきた。
そう言われると、ロールスとかミニってのは、これは確かになりふり構ってないなと思う。FIAT500とかも。機械としてのよしあしは別にして。
# 福野礼一郎についてはジュリアナVIPルームの前からずっと見ているけど、紆余曲折を経て、いよいよ円熟期に入ったなという印象を受ける。長生きしてポール・フレールみたいに90歳で箱根でドリフトとかして欲しいなあ(福野氏はまだ全然若いけど)。
***
トヨタには超一流のスポーツカーを作る能力は無い、と切り捨てているけど、それはどうかなと思う。トヨタのマネジメント能力は、ドグマとかそういうものを包含しているレベルに達していると思うから。
将来の幹部候補にスポーツカー開発なんて博打を打たせるわけにも行かず、、リスクの高い部分は出来るだけ切り捨て可能な形に、、などなど。
そういう理由で、トヨタの出資後、富士重工が出してくるFRにはかなり期待ができる。持てる全てを出し、社運を賭けてくるだろうから。。しかもスバルには「ブランド」に必要な、ストーリー性の下地は十二分に有る。ただでさえスポーツカー向きな、コンパクトな水平対向エンジン、だがこれで6気筒が出てきたらどうだろう?ラリーで得た経験をもとにフロントミッドシップで低重心でZ軸がどうしたこうした。マツダも負けじと3ローターシーケンシャルツインターボの新RX-7を出してきたりして、GT参戦とか。熱い。
あと、フェラーリはブランドの管理で7割の売り上げだか利益を上げている、という話だけど、トヨタだってもはや実質的には、クルマ会社というより金融会社みたいなもんでしょ。というあたりにも言及して欲しいかも。
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まさかの日記:クルマ、バイク、機械モノ
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# しかし誰だよこの書名にした奴。いかがなものかと
世界自動車戦争論 1 (1) 福野 礼一郎
# 一番最初のGT-Rのレビューは読み飛ばしても構わないと思う。ただ、あとがきで「GT-Rが無かったら、この本は日本の自動車業界に対するレクイエムになるところだった」とか書いてあって、なるほどと思った。レクイエムですよ奥さん聞きましたか。この福野という人は執筆でもインタビュー記事であっても一語一句ものすごく言葉を選んである。なので時間をかけて読むだけの価値がある。
この本についてはクルマにそんなに興味がなくても書いてあることは判ると思うけど、ある程度ここ最近(90年代以降)のヨーロッパ車の状況とかそのあたりについての前提知識が有ると、なお良いかも。設計古すぎるミニ、普通のコンパクトカーメーカーに成り下がろうとしていたシトロエン、プジョー。
最初の50ページくらいの内容としては、ブランディングとは要するに、なりふり構わずなんとしてでも金を稼ごうということだ、みたいなことが書いてある。
このあたりが、毎日24時間クルマとかその周辺のことだけをひたすら考え続けて仙人のようになってきたこの福野礼一郎という人の感覚の鋭さ、というか、そういうものを感じる。ブランディングっていうものが急にドロドロした脂っこいものに見えてきた。
そう言われると、ロールスとかミニってのは、これは確かになりふり構ってないなと思う。FIAT500とかも。機械としてのよしあしは別にして。
# 福野礼一郎についてはジュリアナVIPルームの前からずっと見ているけど、紆余曲折を経て、いよいよ円熟期に入ったなという印象を受ける。長生きしてポール・フレールみたいに90歳で箱根でドリフトとかして欲しいなあ(福野氏はまだ全然若いけど)。
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トヨタには超一流のスポーツカーを作る能力は無い、と切り捨てているけど、それはどうかなと思う。トヨタのマネジメント能力は、ドグマとかそういうものを包含しているレベルに達していると思うから。
将来の幹部候補にスポーツカー開発なんて博打を打たせるわけにも行かず、、リスクの高い部分は出来るだけ切り捨て可能な形に、、などなど。
そういう理由で、トヨタの出資後、富士重工が出してくるFRにはかなり期待ができる。持てる全てを出し、社運を賭けてくるだろうから。。しかもスバルには「ブランド」に必要な、ストーリー性の下地は十二分に有る。ただでさえスポーツカー向きな、コンパクトな水平対向エンジン、だがこれで6気筒が出てきたらどうだろう?ラリーで得た経験をもとにフロントミッドシップで低重心でZ軸がどうしたこうした。マツダも負けじと3ローターシーケンシャルツインターボの新RX-7を出してきたりして、GT参戦とか。熱い。
あと、フェラーリはブランドの管理で7割の売り上げだか利益を上げている、という話だけど、トヨタだってもはや実質的には、クルマ会社というより金融会社みたいなもんでしょ。というあたりにも言及して欲しいかも。
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