はじめに
Claude Code を使った自動化システムを運用していると、「今どこまで進んだ?」「次は何をやる?」といったカジュアルなコミュニケーションが必要になることがあります。 チケットシステムだけでは堅苦しいし、かといってログファイルを直接見るのも面倒。そこで、管理者とワーカー(Claude Code インスタンス)が気軽にメッセージをやり取りできる「会話ログシステム」を作りました。システム概要
基本構造
/Users/masaka/Documents/conversation_logs/
├── manager.log # 管理者の会話ログ
└── worker-1.log # worker-1の会話ログ
シンプルに各参加者ごとのログファイルで管理。タイムスタンプ付きのメッセージを追記していく形式です。
主な機能
1. メッセージ送信: 会話 add <相手> "メッセージ"
2. 未読確認: 会話 check で自分宛の未読メッセージを表示
3. 返信: 会話 reply "返信内容" で最後の送信者に自動返信
4. 既読マーク: 会話 mark-read で未読メッセージを既読に
スラッシュコマンド統合
Claude Code の.claude/commands/check-messages.md にコマンド定義を追加することで、/check-messages と入力するだけで:
1. 未読メッセージを確認 2. 内容を読んで理解 3. 適切な返信を生成 4. 自動的に既読マーク
という一連の流れを自動実行できます。実装のポイント
1. タイムスタンプ付きログ形式
[2025-11-03 09:40:49] manager -> worker-1: こんにちは!
[2025-11-03 09:40:52] worker-1 -> manager: こんにちは!何かお手伝いできることはありますか?
秒単位のタイムスタンプで、メッセージの順序関係が明確になります。
2. 未読管理
各参加者ごとに.last_read ファイルを用意し、最後に読んだタイムスタンプを記録。これより新しいメッセージを「未読」として扱います。
.last_read ファイルの例
2025-11-03 09:40:00
3. 自動返信先検出
会話 reply コマンドは、自分宛のメッセージを送信した相手を自動検出。いちいち相手を指定する必要がありません。
最後に自分にメッセージを送った人を検出
last_sender=$(grep " -> $SENDER:" "$LOG_FILE" | tail -1 | awk '{print $2}')
使用例
管理者側
worker-1にメッセージ送信
$ 会話 add worker-1 "CLIチャットボットの進捗はどう?"
返信を確認
$ 会話 check
🔔 新着メッセージ: worker-1
送信者: worker-1
時刻: 2025-11-03 09:31
内容: ✅ 完成しました!chat_trial13.py(147行)と...
ワーカー側(Claude Code)
スラッシュコマンドで自動処理
/check-messages
すると Claude Code が: 1. メッセージ内容を読む 2. 「CLIチャットボット完成した」という情報を返信 3. 自動的に既読マーク
実際の会話ログ例
[2025-11-03 09:31:00] manager -> worker-1: CLIチャットボットの進捗はどう?完成した?
[2025-11-03 09:31:15] worker-1 -> manager: ✅ 完成しました!chat_trial13.py(147行)とCHATBOT_README.mdを実装済み。
[2025-11-03 09:34:00] manager -> worker-1: スラッシュコマンドのテストです。
[2025-11-03 09:34:10] worker-1 -> manager: メッセージ確認しました!/check-messagesコマンド正常に動作しています。
[2025-11-03 09:39:58] manager -> worker-1: Hello
[2025-11-03 09:40:05] worker-1 -> manager: こんにちは!worker-1です。何かお手伝いできることはありますか?
チケットシステムとの棲み分け
チケットシステム(正式な作業管理)
- タスクの定義、進捗管理
- 技術的な詳細、実装メモ
- Git連携でバージョン管理
会話ログシステム(カジュアルなコミュニケーション)
- 「今どう?」「終わった?」みたいな確認
- 簡単な指示や質問
- リアルタイムな状況共有
技術的な工夫
環境変数でワーカー識別
export CLAUDE_WORKER_NAME=worker-1
複数の Claude Code インスタンスを同時運用する場合、環境変数で識別します。
シェルスクリプトのシンプルさ
AWK、grep、tail などの Unix 標準ツールだけで実装。特別なライブラリ不要で、どこでも動きます。Claude Code のスラッシュコマンド
.claude/commands/ ディレクトリに Markdown ファイルを置くだけで、カスタムコマンドを定義できる Claude Code の機能を活用。
まとめ
Claude Code を使った自動化システムに「会話ログシステム」を追加することで:- ✅ カジュアルなコミュニケーションが可能に
- ✅ リアルタイムな進捗確認が簡単
- ✅ チケットシステムと使い分けて効率的
- ✅ スラッシュコマンドで自動応答
関連リンク
- Claude Code 公式ドキュメント: https://docs.claude.com/en/docs/claude-code
- チケット管理システムの記事: (別途執筆予定)



