日本の新興市場に上場しても米国でのシリーズA程度の資金しか得られないという話。

小林雅のBlog: ちょっと過激ですが、日本の新興市場に上場することはどうかと思う
上場して、5−10億円とか資金調達してどうするのか? シリコンバレーのスタートアップで数人の会社のシリーズAのファイナンスを同じ金額ではないか?  


ここは考え方としては興味深いけど。
「上場するまで30年かかる状態でも国として高度成長できた、ということは上場に30年かけてもよい。あるいは、すぐ上場できないような市場環境にするべきだ。」
と言っているとしたら違うと思う(そうは言ってないと思うけど)。
高度成長できた理由全てが株式市場由来ではない。

小林雅のBlog: ちょっと過激ですが、日本の新興市場に上場することはどうかと思う
数年前まで日本では上場するまで平均30年とかかかっていたではないか。 それでも日本経済は高度成長という高成長。 世界でも有数の経済大国になったではないか。 


で、これ↓は確かにそうかも。というより日本の戦後の成長を支えてきた製造業全体が、売り方は広告代理店に考えてもらう、というスキームで運用されてきた。つまり「売り方」について一番知恵を絞っているのは企業の側ではなくて広告代理店だったので、新しい商材(Web2.0とかなんとか)が出てきたときも広告代理店系が最初に色々仕掛けるのは当然である、という。

大迫正治 REPEDANT BLOG > EtsyがシリーズCラウンドで30億円調達: 翻って日本のネットベンチャーを憂う : ITmedia オルタナティブ・ブログ
日本のウェブ産業をリードしているのは決して技術者ではなく、マスメディア的思考と広告代理店的営業スキルを操るビジネスパーソンである。


というわけで、話を戻すと、日本国内市場に上場するべきかどうか?という問いに対する答えとしては、こんな感じかな:
・成長することを目的に掲げている企業において、上場により得られる社会的信用(=営業力・求人力強化)と資金(=これもまあ信用力みたいなもの)によってより強い成長力を得られそうであれば上場するべき

逆にこういう場合は上場しなくても良いかも?というケースを考えてみた:
・資本金のほとんどが自己資金で、充分な内部留保も有り、特に資金も信用も無くとも充分に回っていけそうな場合
・そもそも急成長を求めていない

あたりまえな話で申し訳ない orz


まあもし自分だったら、個人情報保護とか日本版SOXとか、上場企業に対する規制がめんどうなので、自己資本でちまちまやってたいと思う。
(そういう意味ではスモールビジネス志向なのかも。ていうかそもそも成長を希求するような企業の創業者はモチベーションが全然別のところにあったりすることが多いので、比較にならないというか、なんというか)


ちなみに海外の新興への実績としてはどうなんだろ。

NASDAQ - Wikipedia
NASDAQに上場する主な日本企業

これじゃあんまり新興って感じはしないな。。